京都に移住したアラサー独身編集者が、半年たった今思うこと

2019年7月、私は大学以来8年と少し住んだ東京を離れ、京都に移住しました。

ずっとあこがれていた編集者の仕事について、3年目のことでした。

もともと京都の大学に行きたかったこともあって、京都にはずっと、漠然としたあこがれがありました。

「いつかは京都に住んでみたい」とずっと思っていた。
でも、そのいつかがいつなのかわからないまま、気付けばずいぶん長い時間がたっていました。

仕事にも不満はないし、東京の暮らしもなかなか快適だし。

そう考えていた私が移住を決めたのは、「もしかしたら今が最後のチャンスなのかも」と思ったからです。

移住を決めたとき、私は26歳でした。

周りの友人からの結婚報告が増える中で、きっと東京で出会った人と結婚したら、「そうだ、京都に引っ越そう！」とはなかなか言えなくなるだろうな……。

もしかして、自分のあこがれだけで住む場所を選べるのって、今だけなんじゃない……？

30歳くらいで結婚するなら、交際期間含めて2年は欲しいし。ということは、28までに出会わなきゃってこと？

どうせ移住するなら、そのあと婚活したほうがいいだろうし……。

考えれば考えるほど、「今」しかないんじゃないかという気持ちが募っていきました。

そしていてもたってもいられなくなり、仕事をやめて京都に引っ越すことにしたのです。

移住してみて、当然よかったこともあるし、ちょっと後悔していることもあります。

この記事では、これから京都に移住を考えている人や、「いつか京都に住んでみたい」と考えている人に向けて、実際に引っ越してみて感じたことを紹介します。

半年でとりだめた京都の写真も載せるので、コロナでお出かけができない人の慰めにもなればと思います。

よかったこと① すぐそこに京都を感じられる

京都に住んでいるので当然ですが、あちこちに京都らしさを感じることができます。

私が今住んでいるのは阪急の桂という駅で、ギリギリ京都市内ではあるものの、ちょっと郊外にあたります。

職場が大阪の梅田にあるため、やむなく京都どまんなかではなくこの駅を選んだのですが、それでも京都中心部の「河原町」「烏丸」まで乗り換えなく10分程度で行くことができます。

また、観光地としてもおなじみの「嵐山」にも、乗り換えなしで6分で行けます。

この点は、間違いなく「京都に引っ越してよかった！」というポイントです。

よかったこと② 食べ物が安くておいしい

これは京都だけでなく、関西全般に言えることかもしれませんが、とにかく食べ物が安くておいしいです。

観光地価格のお店や料亭などは例外ですが、体感的には東京の7割くらいの値段で飲み食いができます。

あと、私はよく焼酎をソーダ割で飲むのですが、関西の焼酎ソーダ割は東京と比べてけっこう濃い気がします。（コスパいい）

お惣菜屋さんも多いし、気軽に京都のおばんざいが食べられるのはうれしい。

あと、デパ地下のお惣菜ってどこも似たようなお店しか入っていないと思っていたけど、河原町の高島屋のデパ地下は京都を感じられるお店がたくさん入っているので楽しいです。（ちょっぴり値段ははりますが……笑）

錦市場でちょっとおつまみを買って、家飲みするのも楽しいですよ。

よかったこと③ 家賃が安い

これはあくまで東京と比較しての話になりますが、家賃は安いです。

現在住んでいる桂駅は大阪にも京都にもアクセスがよく、いろんなメディアで京都のおすすめエリアとして紹介されているのですが、1K（9畳）・駅徒歩1分の好立地、バストイレ別で家賃は6万円程度。

東京に住んでいた時には、あまりメジャーでない駅で今よりだいぶ狭い家でしたが、9万円近い家賃を払っていました。

そう考えると、かなり安い。

駅近や広さにこだわらなければ、４～５万円台でも十分物件がありますよ。

よかったこと④ 意外に出会いが多い

実は、京都には大手の優良企業がけっこうあります。

京セラや日本電産、村田製作所、オムロンなど、理系の堅実な研究者が多く、マッチングアプリやお店などでこうした企業の方と会う機会が増えました。

会った人は大抵、「職場に女性が少なくて出会いがない」と言います。

周りに女性がいないと、浮気の心配もしなくていいので安心ですよね。

とくに近くの「長岡京」駅に本社があるからか、村田製作所の人はこの半年で3人くらい会いました。

婚活したい女性には、京都移住はおすすめかもしれません。（保証はできませんが……笑）

また、京都に住んでいると「ちょっと散策して先斗町でご飯でも」となりやすいので、スムーズに仲良くなれる気がします。

でも、確かにいいことばかりでもない

ここまで、京都に移住してよかったことを紹介しました。

ですがもちろん、よくなかったこともあります。ここからは、京都に移住してちょっと後悔していることをお話しします。

後悔していること① 関西の給料、安くない？

まず一番がこれ。

私は転職して関西に来たのですが、転職の際に利用したエージェントにも、
「関西の給与水準は東京の7～8割だと思っておいた方がいいですよ」と言われました。

実際、私も転職で年収が100万円近く下がりました。

家賃や食べ物が安いし、多少下がるのはいいかなあと思ってあきらめましたが、一部の大手企業でない限り、移住で年収が下がることは覚悟しておいた方がいいもしれません。

また、私はwebメディアの編集者をしていますが、web系の求人は関西にはすごく少ないです。

私も本当は京都市内で仕事を探したかったのですが、求人がほぼなかったために大阪（梅田）の会社を選びました。

求人数も関東と比べると少ないので、引っ越してから「希望する仕事がない」ということにならないように、仕事を決めてからの移住をおすすめします。

後悔していること② マッチングアプリが東京ほど普及していない

ちょっと前からするとだいぶ広がりつつあるとは思いますが、やっぱりマッチングアプリの普及率は東京の方が高いと思います。

利用者も東京ほど多くはないからか、マッチングの「量」はだいぶ減ったなという印象。

ただ、先述したように「質」は悪くはないと思うので、トントンな感じでしょうか。

私は関西にあまり知り合いが多くないので、もうちょっと出会いが欲しいなという気持ちがありますね。（合コンもできないし）

後悔していること③ まあ人多い

京都は観光地なので、人はめっちゃ多いです。

外国人にも道や電車の乗り換えを聞かれます。いやわからんって。移住したばっかりだし。

実は河原町も家選びの候補エリアだったのですが、Googleマップで「駅徒歩3分」と表示されていた物件に行こうとしたら、人が多すぎてぜんぜん前にすすめず、たどり着くまでに徒歩10分くらいかかったので、

「こりゃ人の住むとこじゃないわ」と思ってあきらめました。

観光シーズンにはバスなども渋滞でかなり遅れるので、住む場所はそれを考慮して選んだ方がいいと思います。

自転車移動をおすすめする人が多いですが、私は日焼けしたくないのであまり乗っていません。

とはいえ、京都はやっぱりいい

後悔ポイントをいくつかあげましたが、とはいえ個人的には「京都に来てよかった」と感じています。

京都はほかにはない魅力のある街だし、一度住んでみたいという気持ちがあるのなら、思い切って移住してみてもいいのではないでしょうか。

大学時代、よく京都に遊びに行っては家に泊めてもらっていた友人と、引っ越しをしてから食事に行きました。

二次会がわりでスタバのコーヒーを片手に、鴨川の土手に座って川辺を眺めて。

「そういえば、昔こうやって土手に座ってコーヒー飲んだことあったよね」

私がそういうと、その時のことを思い出したのか、友人は懐かしそうに笑いました。

「まりこが本当に京都に住んじゃうなんて、不思議な感じ」

その言葉を聞きながら、大学生に戻って一緒に水の流れを見ているような、確かに不思議な気持ちになりました。

確かに、いいことばかりではないかもしれません。

夏は暑くて冬は寒いし、大阪まではなんだかんだ40分くらいはかかるし。

これから長く暮らしていくうちに、もっとたくさん、京都の悪いところも見えてくると思います。

でも、今はそれさえ楽しみに感じています。

何があっても、私はこの街を嫌いになることはないと思うから。

そんな街が心の中にひとつあるって、とても素敵なことなんじゃないか。

初夏が訪れつつある京都で、今日もそう思うのです。